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日高 昭秀
エネルギーレビュー, 35(9), p.20 - 24, 2015/09
原子炉が運転されると、核燃料物質であるウランやプルトニウムなどが核分裂して核分裂生成物が燃料棒中に蓄積される。炉心が溶融するようなシビアアクシデント時には、核分裂生成物を含む放射性物質が燃料から多量に放出され、原子炉冷却系内や格納容器内を移行し、格納容器が損傷または隔離機能が損なわれた場合には大気中へ放出される。放射性物質は、その間、壁などへの凝縮、重力沈降のような自然現象または格納容器スプレイのような工学的安全設備によって除去される。以上のような様々な過程を経て、環境中に放出される放射性物質の種類と量、放出のタイミングをソースタームと呼ぶ。放射性物質の移行・沈着挙動は、機構論的には、ガス状の放射性物質の付着/蒸発、エアロゾル状の放射性物質の沈着、エアロゾルの成長、工学的安全設備による放射性物質の除去に分類できる。本報では、シビアアクシデント時の放射性物質の移行・沈着挙動について概説する。
日高 昭秀
RIST News, (30), p.2 - 14, 2000/10
ART Mod2コードは、シビアアクシデント時の原子炉冷却系及び格納容器内の放射性物質の移行・沈着挙動を解析するため、リスク評価解析用として原研のソースターム解析コードTHALES-2の1モジュールとして開発されている。特徴としては、比較的短い計算時間で気体状及びエアロゾル状放射性物質の自然沈着過程や工学的安全施設による除去過程、及び主要な化学反応を機構論的に扱えること、改良したモデルがソースタームに与える影響を容易に確認できることなどが挙げられる。ART Mod2の前身であるARTコードのマニュアルが1988年に公刊されて以来、数多くのモデルが改良・追加され、種々の実験解析によるコード検証が進んだことから、1998年には最新版であるART Mod2コードがOECD/NEAデータバンクに登録された。本稿では、ART Mod2コードの開発の経緯、解析モデルの概要、コード検証解析例及び今後の課題等について紹介する。
村主 進; 川崎 稔
原子力工業, 19(10), p.56 - 62, 1973/10
軽水型原子力発電所の安全設計の方針、反応度の制御、工学的安全施設、および放射性廃棄物の処理に関して現状を述べた。